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【ばくばく】2000.1.29、2000.2.26、2000.3.11「20th Anniversary Tour」佐野元春 and The Hobo King Band at 宮城県民会館、福岡サンパレス、日本武道館

宮城県民会館のコンサートが終わって、「あたし、やっぱり佐野くん好きだわ」とつぶやいた。「Rock'n Roll Night」の時、佐野さんと自分を結んだベクトル上(わたしよりも後ろの線分)の男性が「Heart Break!」と叫んだ。佐野さんはすかさずこちらに向いて指差した。つまり、それは叫んだ男性に向けての「Yeah!」だったのだけれど、その指先には完璧に自分も入っていて、心臓が口から飛び出るかと思ったものだ。(ばか)
ホテルに戻り、シャワーを浴びていたら右膝に3つの青あざがあるのを発見した。ジャンプした時、前の席の背もたれにぶつけたんだろう。ふと考えた。
このまま3月まで会えないの?・・・そんなのイヤだ!



でもどこに行く??



家に戻ってみると、机の上にはまだ送っていなかった友人の福岡チケットが1枚ある。・・・いくらなんでもこれを着服しては「ひどすぎる~♪」(SHAME~君を汚したのは誰~より)それは分かってるんだけど、ダメでもともとよねー、と友人Mに電話をする。「一生のお願い!福岡のチケット譲って」緊張のあまり下手に出る珍しいわたし。すると、「ええよー、どうせその日仕事で行けへんみたいやしぃ~」とあっさり気の抜けた返事をよこすM。はっ、そーゆーことなら一生のお願いはリセットだ。
これで福岡サンパレスに入る権利を有したことになる。初めての福岡!(乗り換えで通り過ぎたことはある)・・・正規の料金で往復の航空券がいくらかかるかこの時点で分かっていなかった。ホテルと航空券と朝食がセットになっているパックツアーでやっとその半額にはなるが、それでも貧乏な自分にとってはかなりの高額。とりあえず申し込んでから悩んだ。どうする?今からならキャンセルはきくぞ。コンサートのチケットはきっと誰か買ってくれる人がいるはずだ。それでも行くのか、そんな遠くまで、どうせ福岡の後2週間で武道館じゃないか。さぁ、どうするどうする?その煩悶は代理店で実際にチケットを受け取って料金を支払うまでずっと続いた。もう後戻りはできないぞ、と。
当日は仙台駅まで行く電車が雪で遅れたり、仙台駅から空港へ行くシャトルバスの乗り場を間違えたり、かなり右往左往したけど、ようやく初めての国内線(信じられないかもしれないが本当なのだ)に乗ることができた。
飛行機というのは、早くて便利なんだけど、何度乗っても慣れるということがない。「落ちたら終わり」という覚悟がいるのはなかなか気分が悪いものだ。しかも今回、気流が乱れていて、ジェットコースターの一番初めの急降下拡大版みたいなのが10回ほども続いた。胃の底が真空になるみたいな瞬間を、歯をくいしばって耐える。ジェットコースターは好きだが、こんなのはお断りだなぁ・・・って乗ってから言ってもしょうがないんだけどね。
もう一つ怖いのが、着陸時の耳痛。どこに行く時にもこれが起こり、耳の奥から頭の中まで割れるように痛くなる。気圧の関係なんだろうが、エアーインディアはそんな人のためにキャンディーを用意してくれている。これがけっこう美味しい。日本の航空会社も見習ったらいいと思う。
無事福岡空港着ののち、ホテルにチェックインする。地元のテレビ番組やご当地CMが好きなわたしは、すぐにテレビをつける。すると、元ヒップアップの人が、「めんたいワイド」(やはり福岡はめんたいなのだな)に出演していた。骨董品の店を訪ねているのだが、そのタイトルがふるっていた。



「宝さがしに行こっとう」



(HP380のダメージ、MP60を吸い取られ、腰が抜けたってカンジ:涙)
今夜は早く寝ようと思った。(が、結局飲みに行った)

気をとりなおして、次の日はSUKUSUKU嬢オススメ「赤煉瓦記念館」に出かけた。小さい建物だが、静かでとても落ち着く場所だ。ちょうどお昼どきで、階下の喫茶店からカレーの香りが漂ってくる。その頃はちょっと胃が荒れていたんだけれど、カレーにはいつでも屈服してしまうのだ。カレーとサラダ、コーヒー、それにタピオカ入りのココナッツミルクが付く。最初は余裕で食べていたのだが、複雑な調合のスパイスが徐々にしっかりと辛さを強めてくる。半分ぐらい食べると辛くて旨くて汗が出てくる。ココナッツミルクはやはり必要なのだった。
天神のデパチカを巡ったり、依頼を受けた「ふくやのどっから明太子」を探しているうちにそろそろ会場に向かう時間となる。それはいいんだが、次々に到着するバスは全て満杯になっていて、不安が伴う。20分ほども待ってようやく空いたバスに乗る。後ろに立つ女性2人組がハートランドの話題をしていた。「それはね」と心で説明している自分がいたりするし(笑)
福岡サンパレスには、ダフ屋がいた。宮城県民会館で、わたしの認識する限り「ゼロ」だったダッフィーなので、ちょっと安心する。てゆーか、ダッフィーの数って注目度と比例するから。もしかしたらコンサートとかイベントの最新情報に一番敏感なのはダッフィーたちじゃないかと思うのよ。そして脇にはずらりと当日券を求める人の列。こうでなくっちゃいけないわ。
会場に入ると、席はほぼどまんなか。ホールに対角線をひいたら、ちょうどわたしの席で交差する。左右にも前後にも偏っていない、今までの長いファン歴の中でも理想のポジション。音のバランスがとてもいい。デパチカで飲んだドリンク剤もいい具合に効いてきているぞ。
そしてこれは思いがけない誤算。コンサート中いつも何度かやってくる、身体をちょっと斜めにして、ピックを持った右手を高く伸ばすシーン。



その先にあるのはMy Heart Beat



そのポーズをされる度に、いつもの倍ぐらい心拍数が上がった。彼の真っ直ぐな眼差しを、いつにも増してしっかりと受け止める。心臓バクハツしそうなぐらいドキドキしている。ちょっとおかしいぞ、自分。これじゃティーンエイジャーの恋する少女みたいじゃないか。落ち着け落ち着け・・・
自分では落ち着いたつもりだったし、座って聴く珍しい「愛のシステム」もあったのでだいぶ平静に戻ったと思っていた。しかし・・・「ありがとう、福岡」と佐野さんが言った時正直いって驚いた。



ここは福岡だったのか!?



じゃあ、どこだっちゅうねん。(爆)
いやほんとに、忘れてました。かなりドリイム入ってたみたいっす。まじで。
でもなぁ、やっぱり福岡のコンサートは少なくとも九州の人のものなんだなぁと思いました。「福岡」という言葉が佐野さんの口から出る度、「あたし、福岡じゃないもんな」という気持ちがちょびっと出てくるんですね。仙台と東京ならそんなことは全く感じないので、コンサートはやっぱし地元が一番なのかもしれません。
結局、他の街にはナイショ、の「ぼくは大人になった」も聴けたし、今回のツアー中最長で最多曲の3時間半(!)は見ごたえのあるものでした。来てよかった、ほんとに。

ドリイムが完全に抜けきらないままで迎えた2週間後、日本武道館。開演前にオフ会が2つあるらしい。んー映画観たいんだよな、どうしようかな。ま、いいか、遅れたらオフ会を駆け抜けて行こう。
武道館の前に観た映画「海の上のピアニスト」はちょっと選択ミスだった。映画は最高のものだったけど、あまりに泣いたので目が真っ赤になってしまったのだ。涙の流れた跡はファンデーションで塗り壁のように修復できるとして、目の白いところが真っ赤でウルウルしているのと、まぶたが腫れているのはいかんともしがたい。新宿から地下鉄に乗って武道館に来るまで、ずっと顔を伏せていた。どうする・・・
ええいしょうがない。初めての人たちに会えるという好奇心は、自分の見栄に優る。結局、いっぱい初対面の人に会い、初対面じゃない人にも「はじめまして」を言いそうになったりしながらオフ会を駆け抜ける。途中知った顔と話したりして、今までにない程たくさんの人と会った。一度会ったぐらいではその人のことは判らないけれど、昨日まで知らなかった人と今日知り合っているというのはなんか不思議。
そしてもう一つの驚き。ダフ屋の多さ。何人に声をかけられたか判らないぐらい多い。中には「佐野元春のチケットって余んねんだよなー」とぼやくおじさんもいた。よっしゃ♪

今回のツアーは2部構成で、間に休憩が入る。前半に演奏された「レインガール」(「レインガール2000」というらしい)はブランコに乗って揺れているようなアレンジが心地良い。KYONさんと佐野さんの持ち味が溶け合っているような曲だ。最後に澄んだ音が鳴り、佐野さんが高く指差すところがとても好き。
・・・それはそれとして、



曲間にチノパンを引き上げるのはいかがなものか。



まぁ、いいんだけどね、落ちるなら落ちるでベルトするとかしとってくれい、と、うら若き乙女は思う訳だよ。(文章に一部表記の誤りがあったとしても当方の主観で書いております)
初日の宮城県民会館では、「Do What You Like」のクラッピングがちょっと難しくて戸惑った。それが伝わったらしく、次からは普通のリズムになっていたけれど、BBBBがしつこくやってくれているおかげで武道館では(自己満足だとしても?)完璧となっていた。
また、「悲しきRadio」のイントロ部分でメンバーと一緒にジャンプするのも、3箇所全ての会場で成功している。身体が完全に曲を覚えていて、まだまだOKじゃ~ん、とほくそ笑む。
ここで入る休憩が曲者。それまで順調に刻んできた心と身体のBEATが一休みする。休憩といいながら余計疲れるような気がするのはそこだと思う。しかしまだ峠ではない。2部の半ばで演奏される「インディビジュアリスト」、これを越せるか越せないかで勝負が決まる。いや別に誰と勝負する訳でもないが・・・自分との戦いというべきか。福岡では予測していたのであらかじめドリンク剤を仕込めたが、今回はまさしく「素」で限界まで勝負だ。
覆水盆に返らず。こぼれたミルクを嘆いても無駄だ。人間万事塞翁が馬。(ちょっと違う)

休憩が終わり、静かにピアノで始まる「彼女」。佐野さんのピアノというと、ピーシーズツアーを思い出すね。高いセットの上でグランドピアノ(!)を弾く彼と明さん。とてもきれいだったそのシーンは、母と一緒に観たのだった。ここしばらく彼はピアノマンよりもギターマンとなっていたので、このツアーのために練習したのかもしれないな。風のように密やかにからんでくるトミーのウッドベースもかっこいい。
後半は「Visitors」「Cafe Bohemia」あたりのヘビーな曲が中心。でも、あの頃のツアーで聴いたようなイタミはなくて、ひたすら現在のスタンスで聴かせてくれている。かっこいい「ニューエイジ2000」、かっこいい「カム・シャイニング」では思いきり歌詞を間違い、かっこいい「コンプリケーション・シェイクダウン」、かっこいい「GO4」・・・そして、くるぞくるぞ、の「インディビジュアリスト」
このあたりになると、観客のうち半分以上が棒立ち状態。そりゃそうだ、大人はペース配分ということを知っている。でもわたしはそんなこと知らない。



がんばれ!がんばれ!自分!



こんなときは、素敵に踊っている前の人を見る。あの人みたいに、でも決して同じじゃなく、と思う。周りから見て変だって、クラッピングのしすぎで手のひらの厚みが倍ぐらいになったって、かまわない。脳から出た信号と、胸のあたりから出たBEATが、確実に、間違いなく自分の身体を動かしている。ギリギリまで追いつめて、まだ身体も魂も大丈夫だということを確認する。
そしてまるで暗闇に光が差し込んできたように「約束の橋」が始まる。頭のすみっこで、「二十歳の約束主題歌、主演:稲垣ラヴリィ吾郎。でも発表されたのはもっとずっと前」とか豆知識がひらめく。
「Rock'n Roll Night」「Someday」・・・この2曲で、わたしは立ち尽くしてしまう。歌うことも、クラッピングすることもできない。彼の叫びの中に引き込まれ、自分が今確かにここにいることを感じる。まだこの2曲を歌うわけにはいかない。



ありがとう



で「イノセント」が始まると、知らず知らず大声で歌い返している自分がいる。初めてこの曲を聴いた時には「ありがとう、なんて言われる覚えはナイッ!」とか突っ張っていたけれど、そうじゃないんだということ。この曲はみんなで一緒に歌うためにある。受け取るだけじゃなく、こっちからも返してあげる。



どんなことが起きても崩れないように、きみと行こう



臆面もなくそう言える。だってほんとのことだもん。どんなに言葉を尽くしても、言いたいことはたった一言。ありがとう、心から感謝します。

全ての演奏曲が終了しても、しばらく席を立たずに、会場に流れている「グッドタイムス&バッドタイムス」を口ずさんでいた。隣にいるSUKUSUKU嬢もそうしていた。すると、前の席で帰る準備をしていた女性2人組も口ずさみ始めた。この曲は、口の中でころころと転がすような言葉の感じが気持ちいい。そういえば、宮城でも福岡でも、会場を出てからしばらくはこの曲が頭の中でぐるぐる回っていたことを思い出した。
やがて、警備員の人が追い立てにやって来るまで、わたしたちはそうしていた。



ブロック退場じゃないんかーい??



まるで普通のホールのような一斉退場だったことに驚きつつ、今度は後ろの方の席に避難して最後まで歌った。やっぱりすぐに警備員の人が来たけれど(笑)。次の曲は「雪-あぁ世界は美しい」。コンサートが終わってから、流れている曲を歌うのがけっこう楽しいことなんて、何人が知っているだろう。
これからもいろんな場面で佐野さんの曲に少しだけ手を貸してもらったりしながら、進んでいくんだろうな、と思う。

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