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2002.9.22 「ソロアルバム“wish”発売記念ライヴ」西本明 at 渋谷7th Floor

間に音楽のある関係というのは、非常に心地よい。それはもしかしたら、佐野元春 with ザ・ハートランドの明さんのピアノを聴いた時からずっと続いているのかもしれない。
今夜、ノーネクタイの黒いスーツを着た明さんは一人、ピアノの前まで歩いていく。一歩一歩自分の場所まで、確実に近づいていく。やはり明さんはピアノと対でワン・セットなので、ピアノの前に座ると見ているこっちも落ち着く感じ。
明さんのピアノは、わたしにとって不思議な存在。曲を聴いている、というより、曲が(音が)自分に染み込んでいくような気持ちになる。
わたしは時々、「音に包み込まれる」ことを拒否したくなることがある。あまりにも無理矢理自分に近づこうとする音に、意識が拒否反応を起こす。それはたいてい日本語で、その歌詞の意味にもよるけれど、インストゥルメンタルでもそうなることがあるから理由は不明。
明さんの音は、間違いなく近くに存在するのだけれどそこから急に近づいたりしない。風のように周りを吹き抜けていくことはあってもその流れに聞き手を巻き込んだりしない。でも、手を伸ばせば届くところにいつもあって、触れると直接細胞に染み渡っていくのを感じることができる。それはまるで、ミネラル成分いっぱいの生理食塩水のように、触れた部分からすっと身体に馴染む。
今回は佐橋“コロちゃん”のギター(とおしゃべり:笑)という新たなミネラル分が加わり、プロ集団の完璧な音となった。
実は、「完璧な」という表現はわたしにとってしばしば「つまらない」と同意語だったりするのだけれど、そんな些細なこだわりをあっさり越えた地点に着地した、「完璧な」ライヴだった。
一生、側にいさせてほしいと思える、美しくて強い音が、またひとつ増えた。



WISHWISH
価格:¥ 3,150(税込)
発売日:2002-09-18

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