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2001.7.2、2001.7.8、2001.7.15 「ROCK & SOUL REVIEW」 佐野元春 THE HOBO KING BAND with their FRIENDS at 渋谷公会堂、ZEPP福岡、愛知厚生年金会館

渋谷公会堂のステージ上のセットを一目見た時、「これは最高のバンドだ」と直感した。そしてそれは同時に、最高の佐野元春を意味する。ライヴが始まるまで、それがどんな形で確信に変わるかは予想外だったけれど。
1曲目「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」、わたしの大好きな曲。でも、イントロを聞いても何の曲か全然分からない。あの、佐野さん長田さんと一緒にジャンプするのが楽しかった「ナポ」ではなくなっていた。ロックンロールのビートにジャズのグルーヴが加わり、みずみずしい潤いが自分の細胞一つ一つに沁みわたっていくような心地よさがある。そこに、佐野さんの深く優しい声が加わる。
技術の先にある、想いを伝える術にまで到達しているバンドがここに生まれていた。生きていること、出会うこと、音楽で交信することの歓び。おまけに次の瞬間、どんな仕掛けが待っているか分からない。これはかなりスリリングなバンドだ。
前回の20th Anniversary Tourの構成は、どのアルバムからファンになった人にも分かりやすい、とても親切な作りだったので、今回の音に戸惑った人もいるかもしれない。このツアーはオーディエンスにあまり親切ではないから。
ぼくは今、こういう場所にいるけれど、きみはどこにいるのかな?と問いかけられているようだ。わたしが彼らの場所までまだたどり着けないでいるとしたら、その小さな戸惑いがステージの足かせになってはいないだろうか。ふと、気になった。シータカさん、拓夫さん、メロディさん(アンド、ローディーズ)という翼を得て彼らは飛んでいくんだから、一緒に飛べばいい。新しい「Strange Days」のスピードで。ちょっと難しいスピードだし、まだわたしは不格好にしか飛べないけれど、広がってゆく濃密な空間に含まれながら、やっと、少しだけ彼らのことが分かった気がする。
今の彼には、過去のアルバム「VISITORS」や「フルーツ」で見せたものとは別種の、力強い根本的な変化が訪れようとしている。それはプログラムが進むにつれてどんどん強くなっていく。いつも変化し続けているようで、実はずっとそのまんま変わることのなかった佐野元春に、長い時間かかって表面に現われてきた化学変化のようなもの。今までのすべてのアルバム、すべてのインタビュー、そしてすべてのOne Night Standが、このツアーに繋がっている。幸せな、とっても幸せな成長。
今までもHappyだったけれど、「ぼくらはもっと幸せになれるはず。例えばこんなふうに。」というサジェスチョンだったり、「何が起こっても平気だよ。大丈夫。ぼくらを見てみなよ。」という道しるべだったりする。大人になることがつまらない訳じゃない。先に進む最強の彼らがいれば、大人になるのがどんなに素敵で楽しいことか分かるはずだよ。

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